INTERVIEW

2026.11.04

110年を継ぐ作り手に聞く、「凛と、優しく」の理由。

辻眼鏡国松謹製 — 時を重ねた手仕事を、言葉で綴る(Q&A企画)

10年という時間を継ぐとは、どういうことなのか。「凛とした美しさ」と「優しい存在感」という、相反する二つをどう一本に宿すのか。そして、独自の「PADDLE TEMPLE」は、どんな思いから生まれたのか——。

“辻めがね”の系譜を受け継ぐ辻眼鏡国松謹製のつくり手に、その背景を聞いていく。
以下は、お送りする質問項目だ。

Q1. 「辻眼鏡国松謹製」という名と、110年の時を重ねてきた“辻めがね”の歩みについて教えてください。

 鯖江製眼鏡の先駆者、増永五左衛門の孫弟子に当たる辻国松氏が独立し立ち上げたのが”株式会社辻めがね“です。

分業制の主流な鯖江の眼鏡産業において、約70%の工程を自社で行い各工程にはそれぞれ職人と呼ばれるプロフェッショナルな人材が担当しています。

Q2. その名に込めた想いと、ブランドとして受け継いでいきたいものは何でしょうか。

創業者の名を掲げる事で妥協を許さず、鯖江製眼鏡のクオリティーを追求していくブランドです。

国松氏の名に恥じない品質とクオリティーは継続していきます。

Q3. 「凛とした美しさ」と「優しい存在感」という、一見相反する二つを一本に宿すうえで、大切にしていることを教えてください。

シェイプのバランスや個性を残しつつ無駄を削ぎ落としたデザインを意識し、
どんなシーンにも合うフレームになるように心がけています。

また、長期間の着用での型崩れを軽減する素材選び、形状を取り入れ長く愛用できる面での存在感を優しいと表現しています。

Q4. 「触れるたび、まるで時がほどけるように」というのは、どのような工夫から生まれているのでしょうか。

熟練の職人による技術は使っていく過程で体感できます。
フレームの美しさ、強度、使いやすさ。

110年の歴史が作り出す眼鏡が使用者に歴史を物語ってくれます。

Q5. 独自のテンプル設計「PADDLE TEMPLE」について。鯖江で加工可能な最大サイズのテンプルエンドや、平面状と丸状を組み合わせた断面設計に行き着いた経緯を教えてください。

元々は、自社ブランド“丹羽雅彦”のテンプル形状をメタルテンプルに模倣したのが始まりです。

丹羽雅彦がモダン付きテンプルなのに対し、辻眼鏡国松謹製はメタルテンプルです。
モダン付きに比べ掛け心地に劣るメタルテンプル。そこで後ろに重心を置くことで掛けた時のバランスを取り、さらに平面状と丸状を組み合わせ平面状の部分に外側に広がる負荷を集中させる。
それにより最適な掛け心地を生み出しています。

Q6. 丁寧な手仕事のなかで、特にこだわっている工程や、職人として譲れない点を教えてください。

眼鏡生産の上で約70%の工程を自社で補うのは他にはない強みです。

それに伴いそれぞれの職人がプライドを持ったモノづくりをしますので”辻めがね“製の眼鏡がブランド化します。
もちろん、一切の手は抜きません。信頼できる工場だからこそ、職人シリーズとして眼鏡を展開できます。

Q7. これから「辻眼鏡国松謹製」で表現していきたいこと・挑戦していきたいことを教えてください。

一般的には掛け心地の良くないとされるメタルテンプルの印象を、このブランドで払拭していきたいです。

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