INTERVIEW
航空をまとう、その思想を聞く
2026.10.21
INTERVIEW
2026.10.21
Nathalie Blanc Parisへの7つの質問——デザイナーの哲学を引き出すQ&A企画
幼少期の体験から眼鏡の世界を変え、世界的な賞を受けてきたデザイナー、ナタリー・ブラン。その哲学と美意識は、本人(または代理店)の言葉でこそ深く伝わる。
そこで本記事は、ブランドへのQ&Aをもとに構成する。以下は、お送りする質問項目だ。

私は幼い頃からずっと眼鏡をかけていました。でも当時の眼鏡は、私の顔を美しく見せるどころか、隠してしまうように感じていました。重く、大きく、美しいとは言えないフレームばかりでした。子どもだった私は、それを掛ける以外に選択肢がありませんでした。
今振り返ると、その経験こそが、私が子どもの頃に欲しかった眼鏡を作りたいと思った理由だったのだと思います。
その人らしさを隠すのではなく引き出し、自信を与え、恥ずかしさではなく誇りを感じられる眼鏡を作りたい。それが私の原点です。
オプティシャンとしての経験は、私がデザインするすべてのフレームに生きています。
美しいアイウェアを作ることはできます。しかし、「毎日掛けたくなるほど美しく、快適なアイウェア」を作ることはまったく別のことです。その美しさと快適さの両立こそが、本当の挑戦なのです。
私は長年、お客様に眼鏡を提案する立場にいました。だから何が本当に求められているのかを知っています。掛け心地、重量バランス、ブリッジのフィット感、そして「この一本が欲しい」と思わせる細かな要素まで理解しています。
私はデザイナーのためのコレクションを作ったのではありません。自分自身が眼鏡店で心から薦め、販売したいと思えるコレクションを作りました。
すべてのフレームは、美しく、快適で、自然に掛けられるよう設計されています。本当のラグジュアリーとは、自分では掛けていることを忘れるほど快適なのに、周囲の人はその美しさに気付くことだと考えています。
私にとって「French Excellence」とは、見せびらかすことではありません。
気負わないシックさ(effortless chic)です。
丁寧さ、精密さ、そして誠実さを持って物づくりをすること。
静かなラグジュアリーであり、細部まで妥協せず、偶然に任せる部分を一切残さないことです。
そして、美しく作られ、掛け心地が良く、一時的な流行ではなく何年にもわたって愛されるタイムレスなものを作ることが、私にとってのFrench Excellenceです。
私は国の名前で選んでいるのではありません。
その国が持つ技術力で選んでいます。
常に、それぞれのフレームに最適な職人技を求めています。
フランスでは、伝統あるサヴォアフェール(職人技)を守っています。
日本では、とりわけメンズコレクションにおいて、高度な技術を必要とするフレームを製作できます。
イタリアでは、美しいカラーや素材、そしてアセテートの魅力的な組み合わせによって、私のクリエイティビティを表現できます。
それぞれの国が、他にはない価値をブランドにもたらしています。
「純粋さ(Purity)」を実現することこそ、最も難しいことです。
私は顔を主張するための眼鏡は作りません。
自然な顔の曲線に、精密さと軽やかさをもって寄り添うフレームをデザインしています。
私の目標は常に一つ。
フレームではなく、その人自身を引き立てることです。
私がデザインするすべてのフレームには、私の人生に関わってくれた人の名前が付けられています。
家族、親しい友人、一緒に仕事をしてきた人、そして私にインスピレーションを与えてくれた人たちです。
これは、その人たちへの感謝を伝え、心の中で敬意を表す私なりの方法です。
名前の一つひとつの裏には、思い出と物語があり、私の歩みを形作ってくれた大切な存在があります。
SILMO d’Orを受賞したことは、私のキャリアの中でも最も誇らしい瞬間の一つでした。
本当に信じられない気持ちでした。
同業者から評価されたこと、そして長年積み重ねてきた情熱と努力が認められた瞬間だったからです。
また、Vision Expo New YorkでClaraが受賞したことも同じくらい特別でした。
これらの賞は、私たちのビジョン、職人技、そしてチーム全員の献身が認められた証だと考えています。