CRAFT
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CRAFT
2026.10.19
杉本圭への7つの質問——ブランドの哲学と技を引き出すQ&A企画
アイウェア・オブ・ザ・イヤーをはじめ、数々の賞に輝いてきた杉本圭。
その評価を支えるものづくりや哲学は、つくり手の言葉でこそ深く伝わる。
そこで本記事は、ブランドへのQ&Aをもとに構成する。以下は、お送りする質問項目だ。

「杉本圭」は、流行に左右されず、自分たちが本当に「格好いい」と思えるもの、そして職人の技術を限界まで引き出した眼鏡を作りたいという強い想いから始まりました。
ブランド名に自身の名前を冠したのには、「作るものすべてに一切の妥協をせず、自らの名前においてその品質とデザインに全責任を持つ」という退路を断つ覚悟が込められています。
ブランド名そのものが、お客様に対する誠実さと、ものづくりへの誇りの証明です。
「KS-22」でのグランプリ受賞は、独自の「エッジの効いた肉厚なプラスチックフレーム」という世界観が、デザイン面だけでなく機能面でも業界に認められた極めて重要な転換点でした。
杉本圭の代名詞でもある、極厚の生地を立体的に切削する「テレビジョンカット」や、職人の手磨きによる圧倒的なエッジ感は、量産を度外視したこだわりから生まれています。
それが「単なる奇抜なデザイン」ではなく、「日本の最高峰の技術が詰まった本物の眼鏡」として評価されたことは、私たちの進むべき道への大きな自信となり、ブランドの存在を広く世界へ知らしめる契機となりました。
私たちが福井・鯖江での製造にこだわるのは、ここにしか世界を唸らせる「本物の職人技」がないからです。
私たちが表現したい「エッジ感」や「重厚感」は、機械のボタン一つでできるものではありません。
数々の工程を分業し、それぞれの職人が長年培った五感と手の感覚を頼りに、1本1本魂を込めて仕上げています。
ものづくりで最も大切にしているのは、「職人の技術へのリスペクト」と「絶対に妥協しないこと」。
職人と膝を突き合わせ、限界の一歩先を攻めるモノづくりを続けることで、手に取った瞬間に「凄み」を感じていただける眼鏡が生まれると信じています。
すべてのモデルに「KS-」という共通の品番を冠しているのは、形や素材が違えども、流れるアイデンティティはすべて一つであるという意思の表れです。
トレンドを追ってコレクションごとに名前を変えたり、安易にラインを分けたりはしません。
メタルであれアセテートであれ、私たちが世に送り出すものはすべて「杉本圭」という一本の太い幹から生まれた作品です。
「KS-」の後に続く数字は、私たちの挑戦と進化の歴史そのものなのです。
一見、多彩なラインナップを展開しているように見えるかもしれませんが、根底にある狙いは常に一貫しています。
それは、「どの素材、どのスタイルを用いても、杉本圭らしい存在感を演出する」という挑戦です。
アセテートの肉厚な造形美で培った「立体感」や「エッジ」の思想を、チタンの一体成型やメタルフレームに落とし込んだらどうなるか。
一山(いちやま)というクラシックな様式を、現代の技術でどうラグジュアリーに昇華できるか。
それぞれの素材が持つ特性を極限まで引き出し、独自の解釈を加えることで、すべてのシリーズにおいて「杉本圭にしか作れない世界観」を表現しています。
私たちが素材選びで最も重視しているのは、「独自の美しいエッジ(角)と、深い艶を表現できるかどうか」です。
例えばアセテートであれば、8mm(通常は6mm以下)といった非常に肉厚な生地を厳選して使用します。
これは、削り出した際に圧倒的な立体感と陰影を生み出し、職人の丹念な磨きによって、まるで鏡面のような深い艶を放ちます。
素材そのものが持つポテンシャルを見極め、私たちの代名詞である「エッジの効いたフォルム」が最も美しく映える上質な素材だけを贅沢に使用しています。
これまで築き上げてきた「職人技による圧倒的な造形美」というコアな価値をさらに研ぎ澄ましながら、
これからの時代を担う若い世代(20代後半〜30代)の方々にも、この本物の眼鏡の価値を届けていきたいと考えています。
デジタルやSNSを通じて、私たちがものづくりに懸ける熱量や、鯖江の職人の素晴らしい技術をよりダイレクトに発信し、ブランドのファン(共感者)をさらに増やしていくことがこれからの挑戦です。
時代が変わっても、私たちの「一切の妥協をしない」という姿勢は変わりません。世界中の眼鏡を愛する人々に、「やっぱり杉本圭は格好いい」と言われ続ける存在でありたいと思っています。