CRAFT
セルロイドとアセテートは、何が違うのか。
2026.11.04
CRAFT
2026.10.19
SASAKI — 佐々木セルロイド工業所の技術が結晶した、伝統とエッジの融合
アセテートの表面に、鋭く立ったエッジ。それは、素材を磨き続けてきた工房だからこそ生み出せる造形だ。
SASAKI(ササキ)は、福井県鯖江市の佐々木セルロイド工業所が手がける自社ブランド。
伝統的な職人技術と、エッジの効いたデザインが融合した逸品である。
2023年には、パリの「シルモドール」でファイナリストにも選ばれた。

SASAKIを象徴するのが、各モデルの表面に施された鋭いエッジだ。
このエッジの立ち具合は、長年アセテートを磨き続けてきた佐々木セルロイド工業所だからこそ可能になる。
同社が誇る技術「MIGAKI(磨き)」の結晶——光を受けて際立つその輪郭が、SASAKIの何よりの個性である。

テンプル(つる)にも、職人技が宿る。
一般的な、金属芯を機械で刺して入れる手法ではなく、SASAKIは手作業で圧着する芯張りをすることで、立体的な芯をデザインに取り入れている。
技術力が一目で伝わるテンプル構造が、装着時の快適さと、圧倒的なデザインの存在感を両立させている。
フレームには、金属のリベットがさりげなく打ち込まれている。
モチーフは、日本の花・桜。潔く咲く桜は、眼鏡づくりに実直に向き合う職人の魂そのものだ。
見えにくい場所にこそ宿る、つくり手の本気——それが、SASAKIを特別な一本にしている。
その実力は、世界にも認められている。
2023年、佐々木セルロイド工業所は、パリで開催されるアイウェアの祭典「シルモ(SILMO)」に初出展。同時に、アイウェア界のアカデミー賞とも称される「シルモドール(Silmo d’Or)」において、アイコンモデル『SUEKICHI』がファイナリストに選出された。鯖江の工房の技術が、世界の舞台で評価された瞬間だった。
SUEKICHI、KAZUMA、TAKAE——SASAKIのモデルには、100年受け継がれている佐々木家の名前がついている。
価格は各110,000円(税込)。決して安くはないが、磨きの技、手作業のテンプル、桜の飾り——そのすべてに、職人の時間と技術が注がれている。
長く付き合うほどに、選んでよかったと思える一本だ。